◆Galileoが文句なしのリーディング
　Galileoが2年連続リーディングを獲得。2位のMontjeuに約230万ポンド(約2億7500万円)の大差を付ける圧倒的なリーディングだった。特に2011年は2歳から6歳、マイルから長距離まで様々なカテゴリの活躍馬を送り出す万能な活躍。今後かなり長い期間、欧州種牡馬の中心で居続けるだろう。

　2位もSadler's Wells産駒Montjeu。2010年は意外にも3位から7位まで落ち込んだが、再浮上。英ダービーなど大レースの勝ち馬も多く出しており、産駒のHurricane Runもランク外から19位に入っており、着実に勢力を広めている。

　ランク外からベスト10入りしたのはHoly Roman Emperor。同じデインヒル産駒のGeorge Washingtonの現役復帰に伴い2歳戦で現役生活を繰り上げ、急遽種牡馬入りしたというエピソードを持つこの馬だが、GI馬はまだ出していないとはいえ、2世代で一気にランクインするとは、今後の活躍が楽しみだ。主な産駒に、昨年だけで重賞5勝し、愛オークス(愛G1)で2着したBanimpireがいる。

　リーディングこそ逃したデインヒル系だが、ベスト10に4頭をランクインさせ、50位以内では8頭が名を見せた。これはGalileoやMontjeuらのSadler's Wells系より多い数字であり、全体的な影響力はまだこちらのほうが上と言って良い。Holy Roman Emperorや、Exceed and Excelといった若い種牡馬の台頭も目立っている。

　非Northern Dancer系で唯一ベスト10入りしたのは貴重なDubai Millennium産駒のDubawiで、昨年の8位に続くランクイン。米国、香港、ドイツではGI馬を出したが英愛では出せず伸び悩んだものの、2010年にブレイクしており、数年後に再度浮上してきそうだ。

　他では、細々とランクインしていた、Cadeaux Genereux〜Owen Tuderのライン、Bahamian Bountyの産駒Pastoral Pursuitsもランク入り。昨年は重賞勝ち馬を出しておらず、下級条件を中心に賞金を獲得したようだ。

　Ahonoora系も英チャンピオンSで驚かせたCirrus Des Aiglesを輩出したEven Topなど2頭がランクイン。この父系といえばIndian Ridgeが2001年3位、1995年には2位と上位争いをしていただけに、再浮上は喜ばしいことだ。