◆12年ぶりの復権
　過去5年、2位→2位→1位→1位→2位と常にリーディング争いをしていたEncosta de Lagoが4位に落ち、前年3位のLonhroが初のリーディングに輝いた。

　LonhroはOctagonal〜Zabeel〜Sir Tristramと続く豪州独自の父系で、この父系はZabeelによる98-99シーズン以来12年ぶりのリーディング獲得となる。父Octagonalのリーディングは難しい状況で、父仔3代リーディングとならなかったが、Lonhroからまたこの父系は発展していきそうだ。父の父Zabeelも健在で、10位にランクイン。祖父と孫がリーディングベスト10に入るというのは非常に珍しいケースだ。

　リーディングはLonhroが獲得したが、全体的な占有率はNorthern Dancer系が圧倒的で、50位中31頭がNorthern Dancer系。そのうちDanzig系は19頭となっており、主要国ではいずれも最多。血の偏りが最も顕著な国といっても良いだろう。

　とはいえ、豪州は他の主要国と異なり、他国の主要種牡馬をシャトルで繋養できるという利点がある。血統の袋小路に陥りそうになれば、他国からシャトルで導入すればよいのだ。豪州に関しては、“父系のバランス”みたいなことはあまり考える必要はないだろう。

　2位のRedoute's Choiceは前年のリーディングサイアー。2連覇は逃したが、自身の他に3頭を50位以内にランクインさせた。これによりデインヒルの拡大はさらに加速度を増した。

　前年21位から5位にジャンプアップしたのはデビューから15連勝中・Black Caviarの父Bel Esprit。このシーズンは同馬だけでG1・6勝を記録した。同馬の父ロイヤルアカデミーIIは日本や豪州でシャトル種牡馬を経験したNijinsky産駒だ。