■ 商品解説
1985年に「週刊競馬通信」に連載されたコラムですが、意義深いものがあるので、今、あらためて復刻版として世に出すことにしました。
中身は85年当時の話なので、登場する馬などは古いのですが、今読んでも非常に得るものが多く、現在の時代の血統評論のひな形のようなものと言っても過言ではないでしょう。
「プレストウコウの菊花賞」は、スプリンター血統といわれたプレストウコウが菊花賞を制し、それが血統信ずべからず的な論調で取り扱われたことへの怒りが紙面から立ち上っており、その迫力に引きつけられて読み終えました。正々堂々、配合論的立場から反論した日本唯一の論考でしょう。目から鱗が落ちました。
それはいまだに胸のどこかにあって、血統について書いたりしゃべったりする際にモチベーションのひとつとなっているような気がします。
私、栗山も、望田潤も、こういうものを探して読んでは、わくわくしたものでした。
著者の持ち味である、ギラッとした鋭さと、詩的な色気。それを併せ持つ文章がテンコ盛りなのですから、おもしろくないわけがありません。
我が国の競馬文化の大きな財産の一つとして、「血統屋」が読者の皆様に提供いたします。
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